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畳之下新聞

畳の下に敷いてある新聞には、あなたの心を惹きつける言葉が書かれています。

武雄市発自治体通販サイト~鎌倉市は進むべきか立ち止まるべきか

(この記事は、武雄市発自治体通販の実態が鎌倉市議会で解明されはじめるの続きです)

 

議論の発端は、通販サイトの受託に関し、武雄市が締結した契約が違法であるとして住民訴訟が提起されたことでした。

鎌倉市は、その協定書によって構成された「F&Bホールディングス企業連合」とすでに契約を締結しており、10月31日の通販サイトオープンを目指しています。

 

 

10月18日に行われた鎌倉市議会の総務常任委員会で、鎌倉市役所の担当は、「今回住民訴訟の対象となっているのは、鎌倉市が契約する以前の協定書であり構成員も異なることから、直接影響せず、鎌倉市の契約先とは別の企業連合であるといえる」と説明しています。

つまり「9月2日までの協定書に基づく企業連合」に対する住民訴訟であり、鎌倉市とは契約関係にない企業連合であるとの立場を示したわけです。

 

確かに、F&Bホールディングス企業連合の協定書は、2013年9月2日に再締結され、住民訴訟の対象となった債務保証についても関連する文言が全て削除されていたことがわかっています。

また、鎌倉市とF&Bホールディングス企業連合が契約を締結したのは、協定書が再締結された後の2013年9月9日でした。

 

ところで、鎌倉市は今回の通販サイト参加にあたり、以下のような手順を踏んでいたことが分かっています。

今年の6月、国の緊急雇用創出事業臨時特例交付金を活用するとして、約720万円の予算が成立、その後、県の補助金として全額が交付されています。

予算確保の時点では、業務委託先は今後決定するとしていたものの、補正予算要求書にはF&Bホールディングス企業連合が2月20日付けで発行した、約720万円の見積書が添付されていました。

 

その後、9月5日に決裁された、鎌倉市の支出負担行為伺書では、F&Bホールディングス企業連合との随意契約を行うとされており、そのわずか4日後に契約を締結しています。

支出負担行為伺書には、競争入札とせず随意契約とする理由として「特殊な技能、技術等を必要とする業務や契約の目的物に代替性がない場合等で、特定の者と契約しなければ契約の目的を達成することができないとき*1」に該当すると記載されていました。

 

これら、予算確保の経緯や決裁書類から「F&Bホールディングス企業連合との契約ありきであった」ことは明らかだといえます。

 

随意契約であることの妥当性はさておき、

鎌倉市が9月5日に決裁した支出負担行為伺書には、F&Bホールディングス企業連合の見積書が添付されていましたが、これは旧構成員で構成された企業連合が発行したものです。

しかし、鎌倉市役所が契約を締結したのは、新構成員で構成されたF&Bホールディングス企業連合でした。

 

鎌倉市は「旧構成員・旧協定書のF&Bホールディングス企業連合」と「新構成員・新協定書のF&Bホールディングス企業連合」は別の企業連合であると答弁しています。

であれば、随意契約の決裁を行った契約先とは無関係の契約先と契約した」ということになり、「特定の者と契約しなければ契約の目的を達成することができない」ため随意契約にしたという理由が成り立たなくなってしまうことになります。

 

鎌倉市は「随意契約を結ぶ時は同じ契約先として扱い、住民訴訟に関しては別の契約先として扱う」というわけです。

 

明かされなかった分配比率

 この通販サイト開設に関しては、もう一つ指摘されている点があります。

運営にかかる費用は、全額が緊急雇用創出事業臨時特例交付金*2です。

この交付金は厚生労働省から、消費税免税事業者に対しては消費税分を支払わないよう通知されています。

今回の契約は企業連合との契約であり、消費税の納税は各構成員が行うため、消費税を納税しない武雄市への分配に関しては、消費税分を減額する必要があるのです。

 

この件に対して、鎌倉市は企業連合の代表構成員から以下の回答を得ています。

 

1.本件受託業務に関する、当企業連合構成員の業務の分担及び収益の分配について

当企業連合では、当企業連合協定書第8条及び別表1に、各構成員の業務分担を定めております。損益分配については、個別案件毎に協議の上決定することとしております。

本件受託業務においては、武雄市への損益分配は予定しておりません。

 

2.業務見積書記載の消費税の取扱について

本件業務では、武雄市への損益分配は予定していないため、他2社が適正に会計処理を行い、消費税を納税することとなります。

 

また、武雄市に対しても以下の2点を文書で質問したものの、武雄市からの回答文書が未着であると説明されました。

 

1.鎌倉市とF&Bホールディングス企業連合との委託契約業務に関する、武雄市への分配金の有無

2.平成24年度に企業連合が受託した、Facebookページ及びF&B良品ページ構築に関わる全ての業務における武雄市への分配金の有無

※参考として、武雄市の平成24年度決算書を添付

 

企業連合は、鎌倉市との契約においては、武雄市へ損益を分配しないため、消費税も発生しないと回答しています。

しかし、消費税は1取引ごとに計算して納税するわけではなく、一定期間における課税取引を合算して税額を算定する仕組み*3ですから、構成員が業務遂行上必要な経費(交通費など)の実費を受け取った場合にも、消費税の計算に影響してきます。

武雄市は、企業連合の構成員として「自治体向け導入支援に関する業務」を分担していますが、そのために必要な経費(交通費等)も、少なくとも鎌倉市に関しては分配を受けていないことになります。

では、その費用はだれが負担しているのでしょうか。

 

最も責任が重いのは

 鎌倉市では、FBホールディングス企業連合との随意契約が精査されることとなり、10月31日を予定していた鎌倉市の通販サイトオープンは、延期される見込みとなりました。

しかし、着目すべきは、すでに14*4の自治体*5が、F&Bホールディングス企業連合と随意契約を結んでいるという事実です。>

「これら14地方自治体の税金が、F&Bホールディングス企業連合を経由して、武雄市へ流れこむ仕組み」が、すでに出来上がっているのです。

様々な見方があると思いますが、このような契約を行う前に、精査することができなかった議員の責任が最も重いと考えます。

鎌倉市では、議員が説明を求めたことで、問題が発覚しました。

各自治体の議員は、今からでも、契約内容の説明と、見直しを迫るべきでしょう。

 

続きます

*1:鎌倉市随意契約ガイドラインより

*2:全て国からの交付金で、神奈川県も鎌倉市も一切負担しません

*3:実際はもっと複雑ですがここでは省略します

*4:当初11としていましたが14の誤りですので訂正しました

*5:沖縄県石垣市,鹿児島県薩摩川内市,福岡県三井郡大刀洗町,岐阜県関市,兵庫県多可郡多可町,岩手県陸前高田市,香川県綾歌郡宇多津町,埼玉県坂戸市,徳島県上板町,静岡県三島市,富山県南砺市,奈良県吉野郡吉野町,熊本県球磨郡錦町,三重県松阪市