畳之下新聞

畳の下に敷いてある新聞には、あなたの心を惹きつける言葉が書かれています。

結局のところ「ツタヤ図書館」は何が問題なのか

ツタヤ図書館問題が広く知られるようになったキッカケは、2015年8月に判明した、武雄市図書館の選書問題です。
1999年版のWindows98マニュアル本や、2001年版の公認会計士受験ガイド、埼玉ラーメンマップなど、約1万冊の中古本をグループ企業の中古書店から調達し、蔵書していたことが雑誌やネットニュースで報じられ、広く話題となりました。
ツタヤ図書館2館目のオープンを控えていた、神奈川県海老名市にも飛び火するなど、選書問題をきっかけに「ツタヤ図書館」が大きく注目されています。


特徴的すぎる選書や分類が注目されていますが、「ツタヤ図書館」は何が問題なのかを考える上では重要ではありません。
まずは、約2年半前に購入された武雄市図書館の蔵書が、なぜ、今ごろになって問題視されているのかということに着目する必要があります。

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劇的! 武雄市図書館 ビフォー・アフター by TSUTAYA図書館の匠

ナレーションは加藤みどりさん、BGMは例の曲でお楽しみください。

Inscrutable Battle

Inscrutable Battle

今日のビフォー・アフターは、テレビの「カンブリア宮殿」で見た代官山蔦屋書店を、ふるさと武雄市に作りたい。
そんな依頼者、前武雄市長と「TSUTAYA図書館の匠」がタッグを組んで作り上げた、TSUTAYA図書館をご覧いただきましょう。

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武雄市のTSUTAYA図書館は、なぜ2年連続赤字なのか

通称TSUTAYA図書館として有名な武雄市図書館が、2年連続赤字運営であると報道されました。

www.saga-s.co.jp


(追記) 2016年7月には3年連続赤字運営であると報じられました。www.saga-s.co.jp


「図書館が赤字」というと不思議に思いますね。

武雄市図書館は、TSUTAYA図書館と呼ばれる通り、指定管理者制度を使用して、民間企業であるカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)が運営しています。

CCCは、武雄市から図書館の指定管理料として固定の金額を受け取り、その指定管理料の中で人を雇い、図書を購入するなど、図書館を運営するわけです。

ところが、指定管理料を超える費用がかかったため、2年連続赤字運営が続いているというわけです。

指定管理制度は、公共施設の運営に幅広く導入されており、図書館もその限りではありません。

武雄市図書館は、どのような収支構造なのか、そしてなぜ2年連続赤字なのかを、推定してみたいと思います。

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