畳之下新聞

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ブラックPTAの保護者なら知っておきたい「ベルマーク7つの秘密」

何事にも光と闇があります。
社会貢献の代表ともいえる知名度を持つ「ベルマーク」ですが、その実態は意外と知られていません。

いま、PTAでベルマーク集めを頑張っている人も、嫌で嫌でしょうがない人も、これから出てくる7つの秘密を知っておいて損はないですよ。

【秘密その1】ベルマークの価値は「1点1円」じゃなくて「1点1.275円」

ベルマークは、1点=1円として広く知られています。
ベルマーク財団も、1点1円ですよとFAQに書いていますね。

第1部 ベルマークについて
Q2. ベルマークは1点いくらなの?
1点が1円です。

しかし、ベルマークの本来の価値は ベルマーク1点=1.275円です。

PTAから回収されたベルマークの点数に応じて、協賛企業は「市場調査費」を支払います。
協賛企業が「市場調査費」として負担しているのは、1点あたり1.275円です。

この市場調査費 1.275円のうち、各参加団体の口座に入るのが1円で、残りの0.275円分はベルマーク財団の運営費として自動的に寄付されます。
ちなみに、2014年までは0.25円でしたが、2015年度から0.27円に、2019年からは0.275円*1になりました。

PTAのみなさんが年に数回集まって、綺麗に切り取り、会社ごとに仕分けし、1枚1枚数えたベルマーク1000点。
このベルマーク1000点を集めることで得られた、本当の金銭的価値は1,275円なのです。

PTAが買い物に使える資金(ベルマーク貯金) 1,000円
ベルマーク財団の運営費 275円
合計 1,275円

【秘密その2】ベルマークをただ集めるだけでは何の社会貢献にもならない

ベルマーク貯金で買い物をした時点で、買い物金額の10%がへき地の学校への教材寄付や被災地にある学校への援助などに使われるというのが、ベルマークの社会貢献の仕組みです。
つまり、ベルマークをただ集めて、ただベルマーク貯金を貯めていくだけでは、なんの社会貢献にもならないのです。

ちなみに、PTAに教材を販売した協力会社が買物金額の10%をPTAに戻し、それが自動的にベルマーク財団に寄付され、社会貢献に使われるという仕組みになっています。

【秘密その3】約3割の小学校はベルマーク集めをやっていない

ベルマーク財団によると、ベルマークを集めているのは小学校の69%、中学校で62%とされています。
自分がベルマーク集めをやっていた人が、子供の学校で再びベルマーク集めに出会ったりすると、どこのPTAでもやっているように思うかもしれません。
周りを見回すと、ベルマーク集めを頑張っているPTAは意外と少ないのかもしれませんね。

【秘密その4】教職員に協力を求めることはできない

PTAは保護者だけでなく教職員も含まれるのが基本ですが、ベルマーク活動においては、教職員の負担にならないようにすることが求められています。

[注 意 事 項]
第十六条 参加団体は、助成運動の実施にあたり、教育上支障をきたし、又は誤解を受けないよう、次の諸点に注意するものとする。
二 PTA会員たる教職員の負担にならないようにすること
ベルマーク教育助成運動運営規程

ベルマークの集計作業等に、教職員の協力を得ることは出来ないと思ったほうがいいでしょう。

【秘密その5】ベルマーク運動は朝日新聞が後援している

ベルマーク運動を行っているのは、公益財団法人ベルマーク教育助成財団です。
ベルマーク教育助成財団は、朝日新聞社の後援を受けて活動しており、役員を含めた人的支援をうけています。

ちなみに、朝日新聞社からの後援を受けることは、ベルマーク教育助成運動運営規程に定められています。

朝日新聞社の後援]
第五条 本財団は、助成運動に関する宣伝その他の協力を得るため、朝日新聞社の後援を求める。
ベルマーク教育助成運動運営規程

【秘密その6】一年で集まるベルマークは約5億点、ベルマーク財団の年間収入は1億3500万円

2014年度に集まったベルマークは、約5億800万点です。
また、集めたベルマークで買い物が行われた金額は5億2400万円です。

各PTAが約5億円分のベルマークを集めて、5億円分の買い物をする。
約5000万円がへき地や被災地の学校支援に使われる。
ベルマーク財団は約1億3500万円の運営資金を得る。

これが、ざっくり見たベルマークの全体構造ということになります。

ところで、ベルマーク財団は常勤職員30人だそうです。
30人で年間5億点分のベルマークをチェックするのは大変だと思いますが……

【秘密その7】ベルマーク運動はやめることができる

ベルマーク運動は脱退できます。
脱退する時には、ベルマーク預金の残高で何か適当な商品を買う事になりますが、少ない残高だと何を買うかも悩みどころですし、残った残高は財団に寄付されてしまいます。
そんな時におすすめは、「友愛援助」です。
何かベルマーク預金で何か商品を買った時に、その10%が社会貢献活動に使われる仕組みなのは、説明した通りですが、「友愛援助」に申し込みすると、ベルマーク預金をそのまま寄付できます。
この仕組みを使えば、無駄なくベルマーク預金を活かすことができます。
ちなみに、脱退時には脱退届けが必要ですが、5年以上ベルマークの提出を行わなかった場合は、自動脱退になります。


ベルマークを楽に集めるための提案

ベルマーク運動を正直やめたいけど、やめられないとお悩みのPTAも多いでしょう。
平日に仕事を休んでベルマークの整理に参加している方も多いでしょう。
ベルマーク運動にかかっている労力よりも、やめる調整をする労力のほうがかかりそうなPTAも多いと思います。

いきなりやめるのは確かに大変なので、少しでも楽にする事をおすすめします。

それは、重点的に集めるものを決めてしまう方法です。
おすすめは、テトラパックと、インクカートリッジです。

日本テトラパック社製の紙パックは、専用の回収箱に詰めて送るだけで、ベルマークになります。
www.eco-kami.jp

PTAの作業は詰めて送るだけで、切り抜きや数える作業はありません。
専用の回収箱は頼めば無料で送ってくれますし、紙パックの回収費用も無料です。
ただ詰めて送るだけで、日本テトラパックが重量から換算したベルマーク点数証明書が送られてきます。
各家庭では、牛乳パックを開いて乾かすという作業が必要ですが、自治体回収などで、すでにやっている家庭も多く、協力が得やすいのではないでしょうか。


また、エプソンキヤノン、ブラザーのインクカートリッジを集めて、専用回収箱に詰めて送るだけでもベルマークになります。
www.epson.jp
cweb.canon.jp
www.brother.co.jp

こちらも、テトラパック同様、PTAの作業は詰めて送るだけですみ、切り抜きや数える作業はありません。
専用の回収箱は頼めば無料で送ってくれますし、カートリッジの輸送費用も無料です。
ただ詰めて送るだけで、メーカーが個数から換算したベルマーク点数証明書が送られてきます。
インクカートリッジは純正に限りますので、その点は注意が必要ですが、各家庭の負担も少なく、協力も得やすいと思います。

トナーカートリッジだと、なんと1個でベルマーク50点です。
ファミマのおにぎりなら、50個分ですよ。

ベルマークをさらに楽に集めるための提案

もちろん、テトラパックやインクカートリッジしか集めないというのは現実的ではありません。
PTAが重点的に集めるものとしてアピールすることで、全体の負荷を減らすことができるでしょうが、ゼロにはなりません。

そこで私が提案するのは、ベルマーク運動そのものを外部にお願いする方法です。

学校が行っているベルマーク運動の作業を、地域の団体に依頼する事を検討してみましょう。
作業は地域団体にやってもらい、PTAからベルマーク財団に送付するのです。

狙い目は、プルタブやペットボトルキャップを集めていた地域団体です。

www.huffingtonpost.jp

www.asahi.com


彼らは費用対効果が計算出来ませんし、今は集めるものを失っていますから、喜んで協力してくれるのではないでしょうか。


面白かったらブクマしてね!





連絡手段はいまだにプリントや電話で非効率、ベルマークに限らず、毎年同じことを惰性で続けている。
PTA活動は厄介で面倒、そして変えられないものだと感じている人がほとんどだと思います。
しかし、効率化やちょっとしたテクニックで、もっと楽に運営されているPTAもあるんです。

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*1:2019年の市場調査費の見直しに伴い本文も修正しています。